中古車の走行距離による査定額への影響
中古自動車の査定を依頼するときに、自動車の走行距離が査定にどのような影響を与えるか気になるところです。
自動車査定において走行距離はどのくらい影響があるのでしょうか?
目次
走行距離は、中古自動車の査定にどのような影響を与えるか?
中古自動車の査定額の基本部分は、次の要素で決定される基本価格で決められます。
- 車種
- 年式(製造時点から査定時点までの年数)
- 走行距離
まず、それぞれの車種、年式には、その自動車の走行距離が標準走行距離である場合の価格が設定され、次に、査定自動車の走行距離が標準走行距離に一致する場合には、車種、年式に基づいて定められた価格が、そのまま基本価格になります。
一方、査定自動車の走行距離が標準走行距離を下回る場合には、車種、年式によって決められた価格に一定の加算を行った価格が基本価格となります。
反対に、査定自動車の走行距離が標準走行距離を上回る場合には、車種、年式によって決められた価格に一定額の減算を行った価格が基本価格となります。
年式と走行距離はどっちが重要か
年式と走行距離はどちらも査定に重要な影響を与えます。
年式が新しい自動車はエンジンやカーナビ・カーステレオなどの性能が良いので、年式の古い自動車と比較して査定額が高くなります。
また、走行距離が短ければ短いほどエンジンの劣化が少ないですから、走行距離の短い自動車の方がそれが長い自動車と比較して査定額が高くなります。
査定において年式と走行距離のどちらが重要かということについては、非常に難しい問題ですが、あえて言えば走行距離の方が重要です。
このことは、年式が古くても走行距離が短く車には高く査定額が付くことが多く、反対に、年式が新しくても走行距離が長い自動車には低い評価額しかつかないという傾向から判断できます。
走行距離が査定価格に影響を与える具体例
プリウス、アイシス、ウイッシュクラスで年式が5年の自動車の場合
たとえば、プリウス、アイシス、ウイッシュクラスで年式が5年の自動車の場合、標準走行距離が4万キロまたは5万キロとなっています。
よって、査定自動車の走行距離が4万キロまたは5万キロの場合、走行距離による加算または減算は行われず、車種、年式により定められる価格がそのまま基本価格となります。
一方、査定自動車がほとんど使用されていなくて、5年式であるにもかかわらず、走行距離が1万キロであったとすると、車種、年式によって定められる価格に4万円を加算した金額が基本価格となります。
反対に、査定自動車が平均以上の長距離を走行しており、5年式であるにも関わらず、走行距離が10万キロであったとすると、車種、年式によって定められる金額から、19万円を減じた金額が基本価格となります。
カローラ、ヴィッツ、パッソクラスの年式が3年の自動車の場合
また、たとえば、カローラ、ヴィッツ、パッソクラスの年式が3年の自動車の標準走行距離は3万キロですが、査定自動車の走行距離が3万キロであれば、車種、年式により決められた額がそのまま基本価格となります。
一方、査定自動車の走行距離が1万キロであれば、車種、年式によって定められる金額に6万円の加算を行った金額が基本価格となり、反対に、査定自動車の走行距離が10万キロの場合には、車種、年式によって定められる金額から24万円を減じた金額が基本価格となります。
走行距離が5万キロを超えると査定額が急に落ちる
中古車販売市場では、同じ走行距離3千キロの違いでも、4万5千キロと4万8千キロではほぼ同じとみなされるのに対して、4万8千キロと5万1千キロでは、あきらかに4万8千キロの方が好まれるという心理が働いています。
この販売市場で心理は、当然、買取の方にも影響を与え、買取店も、販売が行いやすく、高値も付きやすい走行距離が5万キロ未満の中古自動車を欲しがる傾向を持っていますので、中古車買取市場では、走行距離が5万キロを超えると、査定額が急に落ちると言われています。
なお、現在では、自動車の寿命も伸び、また、性能が向上して故障が少なくなってきていますので、走行距離5万キロの壁(走行距離が5万キロを超えると査定額が急に下がること)は低くなってきていると言われています。
また、走行距離が5万キロを超える自動車でも、エンジンや外観・内装の状態など、その他の条件が良好であれば、走行距離が5万キロ未満の自動車よりも高い査定額がつくことがありますが、走行距離が5万キロを超えるか超えないかは、査定額に一定の影響を与えることは間違いないですから、4万キロ台の自動車をお持ちの方が買取を考える場合には、走行距離が5万キロを超えないうちに査定を依頼することがよりよい選択肢です。
走行距離が5万キロまたは10万キロを超える前に車を売るべき
中古車市場では走行距離が5万キロを超えてしまうともう新しい自動車という評価は受けられなくなります。
また、走行距離が10万キロを超えてしまうと、その自動車は実際にはまだまだ十分に走行が可能であったとしても、評価上は廃車同然とみなされるケースが多くなります。
したがって、走行距離が5万キロを超えたまたは10万キロを超えた場合、評価額が急に下がるという傾向があります。
中古車を売るタイミングは車検が来た時というケースが多いので、走行距離によって車を売るタイミングを決めることは少ないと思うのですが、もし可能であれば、走行距離が5万キロを超えそうな場合には5万キロを超える前に、走行距離が10万キロを超えそうな場合には10万キロを超える前に車を売ると、より高い査定額を獲得できます。
メーターの巻き戻しは絶対に行ってはいけない
走行距離は査定額に大きな影響を与えるので、特殊な機械を用いて、走行メーターを巻き戻し、メーターが実際の走行距離よりも低い走行距離を表示するように細工をして、自動車の査定を依頼する方もいらっしゃいます。
しかし、査定士は、車体やエンジンの状態からおおよその走行距離を推測できますし、JAAI(日本自動車査定協会)は、走行メーター管理システムを設置し、一度オークションに出された自動車の走行距離データをすべて保管していますので、メーターの巻き戻しによる走行距離データの改ざんはいずれ発覚します。
走行距離データの改ざんは、詐欺罪に該当する犯罪であり、最悪の場合には、警察に逮捕されますし、そうでなくても、買取店から査定額の差額を請求されたり、損害賠償請求を受けたりますので、査定額を上がるためのメーター巻き戻しは、絶対に行ってはいけません。
過走行車を高く売る方法とは
走行距離が10万キロを超えると中古車の査定額は急激に下がると言われています。
その際には実質的には0円査定でご祝儀程度の5千円~1万円が買取価格になる場合も稀ではありません。
したがって、過走行車を売る場合にはそれほど高い査定額を期待できないのが原則です。
海外の発展途上国では日本車を非常に高く評価している国があります。
そういった国では日本の中古車市場ではほとんど評価されない過走行車にも高い評価額が付きます。
そういった国に中古車の販売ルートを持っている買取店であれば、過走行車でも高い値段で買い取ることができます。
インターネットの一括査定を活用してそういった買取店見つけることができれば、過走行車でも高く売ることができます。