車買取りの手続き

車を売るときに必要となる委任状の書き方

PR 2018/05/10 2021/02/25
車のミニチュアと電卓

自動車を売る場合には、ほとんどのケースで、委任状が必要になります。

買取店に自動車を売る場合には、この委任状は買取店が用意してきますから、売主は、実印と印鑑登録証明書を用意するだけでよいのですが、それでも、委任状については、一通りのことは知っておく必要があります。

委任状とは

委任状とは、本人が何かしらの事情によって、自らの権利を行使できない場合、代理人を指定して、その者に自己の権利を行使してもらうために必要となる書面のことです。

具体的には、「私は、○○○○を代理人に指定して、自動車の名義変更に関する手続きを委任します」といった内容が記載された書面が委任状になります。

たとえば、病院で入院中のAさんが、自動車の名義変更のために印鑑登録証明書が必要となった場合、Aさんは病気で市役所には行けないので、Aさんは、自分の代わりに、Bさんに市役所に行って印鑑登録証明書を取ってきて欲しいと思っています。

しかし、市役所では、原則として、本人以外は印鑑登録証明書の請求ができない決まりになっています。

そこで、Aさんは、「私は、Bさんに自分の印鑑登録証明書の取得手続きをBさんに頼みます」という内容の委任状を作成し、それをBさんに持たせます。

市役所では、本来であれば、BさんがAさんの印鑑登録証明書を請求しても、受け付けませんが、Aさんの作成した委任状があれば、AさんがBさんに印鑑登録証明書を取得する手続きを頼んだということが分かりますから、BさんにAさんの印鑑登録証明書を渡すことができます。

なぜ委任状が必要か

どんな手続きでも、本人に代わって第三者が勝手にそれをすることはできません。

そんなことが可能であったら、自分の戸籍謄本や住民票、印鑑登録証明書など重要な書面が勝手に第三者に取得されてしまうし、自動車の名義だって勝手に第三者名義に変更されてしまいますし、預金も勝手に引き出されてしまいます。

一方で、本人以外は絶対に手続きをできないとすると、たとえば、病気で入院中で病院から外に出られない場合には、一切の手続きはできないことになります。

それでは、何かあった場合に、非常に困ることになります。

委任状は、その双方の問題を解決します。

市役所や銀行などは、本人が代理人に手続きを委任したという事実が確認できる委任状があれば、代理人が本人に代わって手続きを行うことを認めても、本人の権利は侵害されませんので、問題はありません。

本人も、病気などの理由で自分が手続きできない場合に、代理人が自分の代わりに手続きをしてくれれば、非常に助かります。

代理人が本人の代わりに手続きをする場合には、代理人が本人から対象となる手続きを間違いなく依頼されたことの確認が必要になりますが、このことを確認するための書面が委任状になります。

委任状は、代理人が本人に代わって手続きをする際に必ず必要になります。

委任状に実印を押印する際の注意点

書類と印鑑
「実印は簡単には押されない」という話を聞きます。

よく分からないまま、他人の言いなりになって実印を押印した場合、自動車の登録名義や土地建物の名義を勝手に他人名義に変えられてしまうことがあります。

自分が作成した書面に実印を押印する場合は別として、他人が作成した委任状に実印を押印する場合には、その委任状の内容をよく確認してから、実印を押印する必要があります。

実印を押印した場合、同時に、印鑑登録証明書の提出を求められます。

印鑑登録証明書の提出がない場合、委任状の受取人は、委任状に押印された印鑑が本人の実印かどうかが分かりませんから、実印の押印が必要といった場合には、印鑑登録証明書の提出も求められるのが普通です。

印鑑登録証明書の取得は、住所地の市区町村役場で行いますが、その際、1通当たり、200円から300円程度の手数料が必要です。

実印を押印する際、訂正印(捨印とも言います)を同時に押印しておくと便利です。

委任状に間違いがあった場合、この訂正印を用いて、その場で修正できます。

訂正印を押してない場合、改めて、委任状を作り直さなくてはならないこともあります。

委任状に実印を押印する際には、委任状の欄外に、もう1つ、訂正印を押印しておきましょう。

委任状にまつわる注意点


委任状にもさまざまなものがありますが、その中には、委任する本人の判子が、実印でなければ委任状が有効にならないものと、認印を押印しても有効な委任状になるものがあります。

認印を押印しても有効になる委任状には、たとえば、住民票や印鑑登録証明書の取得手続きを委任する委任状などが該当します。

実印を押印しなければ有効にならない委任状としては、自動車の名義変更手続きの委任状や、土地・建物の登記名義人を変更するための委任状などがあります。

実印を押印しなければ有効にならない委任状による手続きは、重要な手続きです。

間違って押印すると、押印した本人がとんでもない損害を被ることがあります。

実印を押印する際には、内容を繰り返し確認するなど、細心の注意が必要になります。

自動車を売る場合に、買取店が用意してくる委任状に実印を押印する場合には、もともと自動車の登録名義を買取店に変更することついては合意が成立しているわけですから、委任の内容については問題はないと思いますが、委任の内容が、間違いなく、売主から買取店への自動車の名義変更手続きとなっているかを必ず確認してから、実印を押印する必要があります。

委任状を手に入れる方法

パソコンを操作する女性
買取店に自動車を売る場合に、売主から買取店に自動車名義を変更する際に必要となる委任状は、買取店があらかじめ用意してきますから、売主は、実印と印鑑登録証明書を用意して、売買契約が成立したら、買取店が用意してきた委任状に、住所、氏名を記入し、実印を押印すればとよいので、委任状を手に入れる必要はありません。

個人間売買の場合、売主から買主への名義変更手続きは、売主が買主と協力して行う必要があります。

その場合には、自分で委任状を取得する必要がありますが、委任状は、運輸支局の窓口に行けば、そこで入手できます。

最寄りの運輸支局が遠方にある場合には、運輸支局のホームページからダウンロードで入手できます。

委任状の書き方については、運輸支局の担当者に問い合わせることもできますが、運輸支局のホームページでは、委任状の記載例を公開していますから、これを見ながら委任状を作成する方法もあります。

自動車の名義変更のための委任状は、それほど難しくありませんから、誰でも簡単に作成できます。

自動車の名義変更手続きに使う委任状に押印する印鑑は実印である必要があるので、必ず実印を押印します。

印鑑登録証明書も同時に必要になります。

また、委任状は修正液での修正ができませんので、その場で間違っている個所の修正できるように、訂正印の押印も忘れないようにします。

訂正印の漏れがあると、せっかく運輸支局へ行っても、申請ができないケースもあるので、注意が必要です。