車買取りの一括査定サイトでのトラブル解決方法
車買取り一括査定サイトに関する消費者の苦情で、一番多いのは営業電話に関するものです。
サイトの査定申込みフォームを完成させて送信ボタンを押した直後から、約30分間ぐらいは買取店からの営業電話が鳴りやみません。
初めて車買取り一括査定に申し込みをされた方はびっくりしてしまうに違いありません。
目次
国民生活センターに寄せられた車買取り一括査定サイトに対する苦情
商品やサービスなど消費者生活全般にわたる苦情や問い合わせなどを受け付け、公正な立場で専門の相談員が処理に当たる「国民生活センター」という団体が存在します。
車買取り一括査定サイトについてこの団体に対して寄せられる苦情の多くは、「多数の買取店から買取の勧誘の電話が入ってきて困っている」というものだそうです。
このことから車買取り一括査定サイトの苦情のメインは営業電話ということになります。
国民生活センターに寄せられた車買取り一括査定サイトに関する苦情の一例は
最初からこんなに電話がかかってくことが分かっていれば、サイトに申し込まなかった
というものです。
この苦情を寄せた消費者は
とも言っています。
車買取り一括査定サイトに詳しい方であれば、単に自分が持っている自動車の現状の評価額を知りたいだけであり実際に自動車を売るつもりはない場合には、個人情報なしで査定額をシミュレーションしてくれるサイトを使って調べるのがよいことだと分かります。
しかし、このサイトの実情に詳しくない方であれば、自動車を売るつもりが無いのに間違ってこのサイトに申し込んで後悔するケースも多くなります。
契約後でも買取金額が下がる再査定とは
売買契約書にサインし車が買取店に引き取られてしばらくして、買取店から
などという連絡が入ることがあります。
これを二重査定といい、車買取の際のトラブルの原因の1つとなっています。
買取店から二重査定の話があった場合、ユーザーの方でメーターなどの巻き戻しの事実がなく引き渡した車に点検記録簿が備え付けてあった場合には、その話は断っても全く問題はありません。
買取店の方でしつこく再査定に応じるように要求があった場合には国民生活センターなどに相談しましょう。
ユーザーの方で、メーターの巻き戻しを行った場合や事故車であることを査定士に申告しなかった場合には、再査定が合理性を持ちます。
このケースでは再査定に応じざるを得ないでしょう。
キャンセルしたらキャンセル料を請求される
キャンセル料の相場は契約金額の10%程度とされますが、合理的な理由がないにもかかわらずユーザーが一方的に車買取契約を解除した場合には、買取店からキャンセル料が請求されます。
キャンセル料の金額は売買契約書に記載されているのが普通ですから、契約書にサインする段階でキャンセル料についてよく確認しておきます。
以下の要件に該当する場合には、キャンセル料を支払うことなく契約をキャンセルできます。
- 詐欺や脅迫によって契約書にサインした場合
- 親の承諾がなく未成年の子が契約した場合
よく、ある買取店と車の売買契約を締結した後に、別の買取店の方がより高く車を買い取ってくれることが判明したので、先の買取店の契約をキャンセルして後の買取店と契約したいというケースが発生します。
このような理由のキャンセルの場合には間違いなくキャンセル料を支払う必要があります。
車買取り一括査定サイトの概要について
車買取り一括査定サイトとは、簡単に言うと、インターネットから申し込むことで簡単に中古自動車の相見積もりを可能にするサービスのことです。
相見積もりとは複数の買取店の査定を同時に受けることを言います。
相見積もりを取ると査定した買取店のうち最も高い査定額を提示した買取店と売買契約を締結することにより、自動車を高く売ることができます。
車買取り一括査定サイトを利用して自動車を売る場合の流れは以下のようになります。
- ①インターネットから査定を申し込む
- ②買取店から電話が来るので、各買取店と出張査定の日時を調整する
- ③指定した日時に買取店に来てもらい出張査定を受ける
- ④査定額に満足した場合、その査定額を提示した買取店と売買契約を締結
- ⑤引渡し日に買取店に自動車を引き渡す
- ⑥支払期日に買取店から代金が支払われる
車買取り一括査定を利用した自動車売買の方法はまだまだ発展途上です。
「2017年版中古車流通総覧」によると、中古自動車取引におけるその取引方法のシェアは以下のようになります。
- ディーラー下取り約80%
- 車買取店約15%
- 車買取り一括査定約5%
車買取り一括査定のトラブル防止法
車買取り一括査定のトラブルで一番多いのは営業電話に関するものです。
サイトの申込フォームを完成させ送信ボタンを押した直後から30分ぐらいは、ひっきりなしに電話がかかってきます。
これには、事情を知らないで申し込みをされた方の場合、驚いでしまうに違いはありません。
しかし、このトラブルは簡単に防止できます。
中古車査定のシミュレーションサイトでは営業電話はかかってこない
自動車を売るつもりはないが、とりあえず自分が現在乗っている自動車の評価額を知りたいという場合には、車買取り一括査定サイトは使わないで個人情報なしで利用できる中古車査定のシミュレーションサイトを使います。
この方法だと、個人情報を入力しないので買取店からの営業電話に悩まされることはありません。
一括査定では電話不要オプションを利用する
本気で自動車を売りたい場合には、個人情報を入力して車買取り一括査定サイトから査定を申し込む必要がありますが、車買取り一括査定サイトの中には「カーセンサーnet」のように買取店からの連絡をメールに限定するオプションを選択できるものもあります。
しかも、「カーセンサーnet」ではユーザーが出張査定を申し込んでくる買取店を選択できます。
「カーセンサーnet」から査定を申し込みを行い、その際に「買取店からの連絡はメールのみ」のオプションを選択した上で出張査定を申し込んでくる買取店を5社以内程度としておけば、営業電話が多すぎるという問題はほぼ解決します。
一括査定サイトの本当のトラブルは談合
一括査定サイトに関するトラブルで目立つのは買取店からの営業電話に関するものですが、一括査定サイトを利用した自動車取引に関しては、目立たないけれども別の深刻なトラブルが存在します。
それは一括査定で出張に来る複数の買取店の担当者が談合を行うことです。
異なる買取店の担当者同士は頻繁に同じ出張査定に立ち会うなどして顔見知りになっていることが多く、簡単に談合を行うことができます。
談合が行われると査定額が下がってしまう
一括査定で談合が行われた場合、談合の結果一番高い査定額として出てくる金額は対象自動車の本来の中古車市場での評価額よりも必ず低い水準となります。
談合があると、一括査定サイトで自動車を売るメリットが大きく失われるので、これが本当の一括査定サイトのトラブルと言えましょう。
さらに、買取店の担当者が談合を行っていることにユーザーが気が付くのが非常に難しいため問題はさらに厄介です。
同じ時間帯に複数の買取店との出張査定をセッティングすることで談合防止
一括査定サイトで談合が行われるのを防ぐためには、同じ日の同じ時間帯に複数の買取店の出張査定をセッティングすることが有効です。
複数の買取店の担当者を個別に自宅に呼んで査定を受ける場合、買取店の担当者同士が連絡を取り合って談合が行われやすくなります。
一方で同時出張査定の場合には買取店の担当者同士が談合のための連絡を取りにくくなります。
同時出張査定の場合には買取店の担当者同士が連絡を取りにくくなるといっても、油断は禁物です。
ユーザーが目を離したすきに担当者同士が談合の話をするかもしれません。
ユーザーは同時出張査定の間買取店の担当者が談合話をしないようにしっかり監視をしている必要があります。
談合は表面上は悪いことだと誰もが知っていますので、ユーザーがしっかり監視をしていれば談合は防ぐことができるでしょう。