買取り、下取り、個人売買の違いとは?
中古車を売却する場合には、買取り、下取り、個人売買の3つの方法が考えられます。
そこで、以下では、その概要、メリット・デメリット、費用などについて解説します。
目次
中古車の買取りとは?
中古車の買取りとは、中古車買取業者に事故車を買取ってもらうことをいいます。
中古車の処分方法としては、次に述べる下取りと並んで一般的な方法です。
なお、この買取りは、下取りが新車や他の中古車の販売とセットで行われるのに対して、純粋に中古車の買取のみを行うところに大きな特徴があります。
買取りのメリットは「高額査定」
中古車買取りのメリットは、比較的高額の査定をしてもらえることです。
中古車買取の場合には、複数の買取事業者から見積もりをとって、最高値をつけた業者に売却することが可能になるので、場合によっては、高い値段で買い取ってもらうことが可能です。
また、買い替えの場合の新車値引きとの調整がありませんから、販売価格に高値がついて利益を獲得した場合には、その利益はそのままユーザーのものになります。
その点、自分がどれくらいの利益を上げているのかが分かり易い構造となっています。
新車と事故車の納車時期が一致する保証が無いのが難点
一方、中古車買取のデメリットは、購入した新車の納車時期と売却した事故車の納車時期が一致する保証がないので、場合によっては、「車無し」の期間が生じる可能性があることです。
また、年式、型式によっては、買取り拒否される可能性があります。
さらに、見積もりや価格交渉、契約や自動車譲渡の手続きをユーザー自ら行わなくてはなりませんので、手間がかかります。
中古車の買取り費用
中古車の買取りの費用としては、次のようなものが考えられます。
- 買取りの事故車を査定するためにかかる費用(査定料)
- 中古車の名義をユーザーから買取業者に直すための費用(名義変更料)
- 自動車譲渡契約書に貼付する印紙代
- 中古車の運搬費等(引き取り費用)
自動車の買取費用については、買取業者が負担するケースが多いのですが、業者によっては、中古車の売主に負担を求める場合があるので、その場合には、現金で支払うか、事故車の売上代金から控除されます。
中古車の下取りとは?
中古車の下取りとは、中古車を売却して新車または中古車を購入する場合、新車の販売先に中古車を買い取ってもらい、その売却代金を、新車の販売価格から控除する形式で受け取る事故車の処分方法を言います。
中古車の下取りは、上記の中古車の買取と並んで、中古車の処分方法として一般的な方法です。
この下取りの大きな特徴は、中古車の売却が買い換えた自動車の販売とセットで行われることです。
下取りは手続きがカンタン!
中古車の下取りのメリットは、手続が簡単なことです。
中古車の売却手続きは、新車の販売先の担当者がほとんどすべてを代行してくれますので、ユーザーの負担はほとんどありません。
また、新車の販売と抱き合わせなので、買取りが拒否されることはありません。
高い値段が付くことは保障されませんが、事故車でもきちんと買い取ってくれます。
また、新車の納車時期と事故車の納車時期が一致するので、「車なし」期間は発生しません。
複数の業者との比較はできないため査定価格が低くなる傾向に
一方、中古車下取りのデメリットとしては、まず、複数の買取業者に見積もりを出して一番高い値段を付けた業者に売却するということができませんので、どうしても、中古車の売却先が、新車を販売する業者に限定されます。
よって、自ずと査定価格が低くなる傾向があることが挙げられます。
また、中古車の売却は新車の販売と抱き合わせで行われますから、中古車の売却代金を高くした分、新車の販売価格を上げる、または値引き割合を縮減するという利益調整が行われる可能性が否定できません。
ユーザーが本当に利益を上げたかどうかが分かりにくいことも、下取りの大きなデメリットです。
下取りの費用
下取りの費用については、たいていの場合、下取りを行う自動車販売店が負担してくれます。
よほどのことがないかぎり、ユーザーにその負担を求めてくることはありませんので、あまり気にする必要はありません。
中古車の個人売買とは?
中古車の個人売買とは、ユーザーが自動車販売業者などを介さずに、直接、個人に対して中古車を販売する方法のことをいいます。
インターネットの普及によって、最近行われるようになった中古車の販売方法です。
予想外の高値が付く!?
個人売買のメリットは、予想外の高値が付く場合があることと、中間業者を介さないために、中間マージンが不要となり、その分、中古車の売主が獲得する利益が大きくなることです。
トラブルは全て自分で解決しなければならない
一方、個人売買のデメリットとしては、専門家による適正な査定が行われないために、中古車の販売価格が不当に高くなったり低くなったりする場合があることです。
よって、高値で売れたと喜んでいても、後から不正利得に関するトラブルに巻き込まれる可能性があります。
また、売却代金が支払われない、名義変更が行われない、納車後すぐ故障したけれども売主の責任か買主に責任か分からない、といったトラブルが発生した場合、それらをすべて自分で解決しなくてはなりません。
個人売買にかかる費用
自動車の個人売買にかかる費用については、自動車の名義変更料、自動車の納車費用(陸送費用)、自動車売買の契約費用(印紙代等)などが挙げられます。
個人売買の場合には、これらの費用をすべて個人で負担しなくてはなりません。
なお、自動車の陸送費用はその距離に応じて、20,000円~100,000円程度が必要です。
自動車の名義変更料は約3,000円~4,000円(車庫証明が必要な場合にはさらに3,000円程度追加)、契約費用については、1,000円程度が必要になります。