事故車のローンに残債務がある場合の売り方
ローンを組んで自動車を購入される方もいらっしゃっると思いますが、ローンの返済期間中に交通事故を起こして、買い替えのために事故車を売却する必要が生ずる場合があります。
そこで事故車にローンに残債務がある場合の売り方について解説します。
目次
自動車ローンの種類について
自動車ローンには次の2種類があります。
- 自動車の購入先のディーラーなどが債権者となるローン
- 銀行等の金融機関が債権者となるローン
両者の大きな違いは、ディーラーなどが組むローンの場合、ローンを完済するまでは、自動車の所有者がディーラーやディーラーと提携したローン会社となっていることです。
一方、銀行等が債権者となるローンについては、原則として、自動車の名義はユーザーになります。
事故車の売却を考える場合には、まず、自分が組んでいるローンの種類と、車検証の所有者が誰になっているかを確認しなくてはなりません。
残債務の債権者がディーラーなどである場合の事故車の売却
残債務の債権者がディーラーなどである場合には、車検証上での自動車の所有者がディーラーなどになっています。
したがって、自動車を売却する場合には、まず、自動車の名義をディーラーなどからユーザーに変更しなくてはなりません。
さて、ディーラー等からユーザーへの自動車の名義変更には、ディーラー等が発行する所有権解除証明書が必要になります。
ディーラー等に所有権解除証明書を発行してもらうには、以下の3つの方法があります。
- 残債務を一括して返済する
- 残債務はそのままにして、ディーラーからユーザーへの所有権移転を承認してもらう
- 新しいローンを組んでもらって、残債務を一括返済する
上記のいずれかの方法によって残債務を清算し、ディーラー等に所有権解除証明書を発行してもらえば、自動車の名義をユーザーに直すことができます。
名義変更が終わったら、通常通り、事故車を売却できます。
残債務の債権者が銀行等である場合の事故車の売却
残債務の債権者が銀行などである場合には、車検証上での自動車の所有者はユーザーになっています。
したがって、自動車の名義変更の手続きは不要で、そのまま売却できます。
ただし、銀行等によっては、ローンの発生原因となった自動車を売却する場合に、一定の制限を設けている場合もあります。
そのような場合には、銀行の承認なく自動車を売却したりすると、銀行に対する信用が下がり、以後、ローンが組みにくくなるなどの不利益が発生する恐れがあります。
よって、ローン契約書を確認するとか、債権者である銀行に問い合わせるなどして、自動車の売却に特別の制限がないかどうかを確認する必要があります。
この点を除けば、ローンの残債務の債権者が銀行である場合には、ローンの無い場合の自動車の売却と比較して、特別な点な何もありません。
ローン残債務のある事故車の売却には、中古車買取業者を利用した方が良い
ローン残債務のある事故車を売却する場合には、できるだけ事故車を高く売って、その代金をローンの残債務に充当し、少しでもローンの負担を軽くしたいと考えることは当然です。
事故車の買取り価格は、ディーラーによる下取りよりも、中古車買取業者による買取りの方が高く売れる可能性が高くなります。
よって、ローン残債務のある事故車を売却する場合には、買取りの方がおススメです。
ディーラーの場合には、下取りした事故車は国内中古車市場で販売するしか利用法用がありません。
よって、国内市場で評価の低い事故車に高値が付く可能性はほとんどありません。
しかし、買取業者の場合、多様な販売ルートを持っていますし、事故車専門の買取業者もあります。
多様な販売ルートを持っている方が、事故車を高値でさばけることは言うまでもありません。
購入した事故車を高値で販売できるのであれば、事故車を購入する際に高値が付く可能性が高くなることも、自明の理です。
残債務のある事故車の買取りを買取業者に依頼するメリット
買取業者の中には、ローンの残債務のある事故車を買取る場合に、複雑な所有権解除の手続きや、自動車の名義変更の手続きの代行サービスを提供している業者もあります。
手数料はかかりますが、そういった手続きが苦手な方には有難い制度です。
また、所有権解除の手続きには、残債務の清算が必要になります。
残債務の清算には、ある程度の金銭が必要になりますが、買取業者の中には、残債務の清算金の立替払いサービスも代行する業者があります。
これは、金利など貸付け条件が適切であれば、ワンストップサービスとして、利用価値が高いサービスです。
ディーラーによる下取りを利用する場合には、売却価格が高くならないほかに、買取業者が提供するこういった多様なサービスを利用できません。
よって、利用できるサービスの面からも、残債務のある事故車の売却は買取業者に依頼した方が得策といえます。