中古車の委託販売で車を高く売ることは可能か?
最近、車を売る方法の1つとして、委託販売が流行しています。
この委託販売は、運よく高く買い取ってくれる買い手が見つかれば、買取店の査定額よりも大幅に高い値段で車を売ることができます。
目次
中古車の委託販売とは
中古車の委託販売とは、売り手が車を委託販売店に預け、販売店が買い手を探して、買いたい人が見つかれば、車を売るという方式です。
中古車の買取の場合には、買取店が売り手から車を買い取ります。
一方、委託販売の場合には、委託販売店は売り手から車を買わず、売り手と買い手の間を仲介する役割を果たします。
委託販売は、最近になって流行ってきた新しい中古車の販売方法ですが、以前からある買取や下取りとは根本的に異なる方法です。
中古車の委託販売の特徴
中古車の委託販売は、運よく高値で買ってくれるお客さんが見つかった場合には、買取よりもはるかに高い価格で車を売ることができます。
しかし、委託販売に出すと、買取よりも高値で買ってくれるお客さんが必ず見つかるというわけではありません。
委託販売の場合、売れても売れなくても、委託販売店に保管料を支払う必要があります。
また、売却の際、売買代金の10%程度の販売手数料が徴収されます。
買い手が付かない場合には、一方的に保管料の支払いが生じ、売り手側が損失を被ります。
仮に売れた場合でも、買取価格と同じ程度の売値が付いた場合には、販売手数料が控除される分だけ、委託販売の方が買取よりも利益が少なくなります。
委託販売には、買取査定額の数倍もの高値が付く場合もあり、買取よりも必ず損をする車の販売方法だということはできませんが、売れなかった場合のリスクも高く、ハイリスク・ハイリターンの販売方法ということができます。
委託販売が成功した例
ある車の査定を買取店に依頼したところ、0円査定となりました。
この車の売り手の希望査定額は30万円でしたので、当然0円査定には納得がいかず、今度は、委託販売をすることになりました。
最初、この車は委託販売店の展示場に展示され、買い手が付くのを待ちましたが、買い手が現れず、その為、委託販売店では、この車をオークションにかけることになりました。
オークションでは、1万円からスタートしましたが、約16万円で落札者が出て、売却が決まりました。
売却代金から、事務手数料6,500円、販売手数料約16,000円(売買代金の10%)、オークション手数料などが控除されて、売り手(依頼者)に支払われました。
このように、委託販売をして、高値で買い取ってくれる買い手がうまく見つかった場合には、買取店に買取を依頼するよりもはるかに多い利益を上げることができます。
エターナルオートの委託販売の実績
愛知県にエターナルオートという中古車の委託販売店があります。
このエターナルオートは、インターネット上で、中古車委託販売の実績を紹介していますので、以下で紹介します。
- 日産セドリック・買取店で0円査定、委託販売で成約価格20万円
- トヨタ・ランドクルーザー・買取店で査定15万円、委託販売で成約価格40万円
- 日産スカイライン・買取店で査定90万円、委託販売で118万円
- フォンダ・フィット・買取店で査定10万円、委託販売で29万円
このように、委託販売では、買取店の査定額よりも10万円から25万円程度も高い価格で車を売ることができる場合があります。
委託販売の車に高い値段が付くケースがあるのはなぜか
委託販売の場合、車を買い手に直接売ることができます。
そして、買い手は、買取店の査定のように、日本自動車査定協会(JAAI)の基準にしたがって値段を決めるということはありません。
買い手独自の基準で値段を決めます。
買い手独自の値段がJAAIの基準よりも高くなるという保証はありませんが、運が良ければ、(たまたまその車を高く評価する人に巡り合えば)上記の例のように、査定額を大きく上回る値段が付く場合があります。
その意味では、委託販売は、運任せという側面があり、大量の取引実績の平均を取ると、その平均値段が、JAAIの基準に従った査定額よりも低くなっているという可能性は十分あります。
委託販売で買い手が付かない、または、査定額と大して変わらない値段しかつかない場合、委託販売には、成約手数料と保管料が発生する分だけ、買取より損をする可能性が出てきます。
委託販売を検討する場合には、上記のような成功事例を参考にしつつも、それは、たまたま運よくよい買い手に巡り合った場合の話であり、そうでないケースのことも想定して、買取にするか委託販売にするかを決めなくてはなりません。
委託販売店のメリットについて
委託販売は、それ行う委託販売店にも以下のようなメリットがあります。
- 売れても売れなくても、依頼主から保管料が入る
- 売れ残っても、依頼主が引き取るので、売れ残りのリスクを負わない
- 売れ残った場合、依頼主に安い値段で買取りを提案できる
委託販売は、委託販売店側にも十分なメリットがあります。
しかし、委託販売店のメリットは、依頼主である売り手にとってはデメリットとなることが多いのです。
特に、委託販売では、車の販売に伴うリスク(売れ残った場合のリスク)を依頼主の方に転嫁できます。
このことを知らないで安易に委託販売を依頼すると、依頼した車が売れ残り、後から大損をしたという事態も想定されますので、十分な注意が必要です。
委託販売はあまりオススメできる販売方法ではない
委託販売は、高く値段を付ける買い手が出てくるか出てこないかを賭けるギャンブルのようなものですが、ギャンブルの通則かいうと、胴元である委託販売店が最終的には得をすることになります。
個々の取引を見た場合には、査定額よりも大幅に高い値段で販売ができたという成功事例が見られますが、すべての取引を平均した場合には、すべての自動車をJAAIの査定基準にしたがって評価した査定額の平均を下回っている可能性は十分にあります。
よって、委託販売は、複数の買取店に査定を依頼したけれども、どうしても査定額に納得がいかず、自分の車はもっと高く売れるはずだなどという確信がある場合を除いて、あまりオススメできる販売方法だということはできません。