車買取りの手続き

車を売るには印鑑登録証明書が必要か?

PR 2017/04/07 2021/02/25
車のミニチュアと電卓

車を売るためには、さまざまな書面に印鑑を押印しなくてはなりません。

では、それらの書面に押印する印鑑は、認印でよいのでしょうか、それとも、実印で押印し、その印鑑登録証明書を付ける必要があるのでしょうか?

車を売る場合には印鑑登録証明書が必要となる

車を売る場合には、必ず印鑑登録証明書が必要となります。

それは、車を売ると、車の名義をユーザーから買取店に変更する必要がありますが、その手続きをするために、印鑑登録証明書が必ず必要になるからです。

車は、最低でも5万円以上、高級車となれば、数百万円もの価格が付く貴重品です。

よって、売買等によって登録名義を変える場合には、名義変更によって名義人でなくなるものが、間違いなく車を手放す意思があることを確認するために、その者に、名義変更に関する書面に実印を押印させ、同時に印鑑登録証明書も添付させます。

車を売る際に実印と印鑑登録証明書の用意ができないという場合には、車を売ることはできません。

単純に、実印を無くしただとか、印鑑登録証明書を取り忘れたということであれば、後日、それらを用意することを条件として、買取店に車を買い取ってもらうことができます。

しかし、名義変更関係書面に実印を押印することを拒否したり、買取店に印鑑登録証明書を渡すことを拒否するような場合には、買取店では車の買取を断ってきますので、注意が必要です。

引っ越しをした場合には名義変更手続きが複雑になる

引っ越しをしたけれども自動車の登録変更手続きをしないままの状態で車を売る場合には、車検証の所有者の住所と印鑑登録証の住所が異なります。

この場合にはそのままでは車の名義変更ができないので車を売ることはできません。

このケースでは、住民票や戸籍の附票など車検証上の所有者の住所の変遷が分かる書面を追加で提出する必要があります。

車検証上の住所から印鑑証明書の住所に引っ越しただけの場合には住民票の前住所の表示があれば、車検証上の所有者が印鑑登録証上の人物と同一人物であることが確認できますので、このケースでは住民票があれば大丈夫です。

車検証上の住所から印鑑証明書の住所までに複数回の引っ越しをしている場合には、住民票では不十分なので戸籍の附票を用意します。

所有者が亡くなっていて印鑑証明書が取れない場合について

死亡した方の自動車を売る場合には、言うまでもなく死亡した方は車を売る手続きができないので遺族の方が代わりに手続きを行います。

その際に、死亡者に代わりに手続きを行う方と死亡した自動車の名義人の続柄を明らかにする戸籍謄本や、手続きをされる方が死亡した方の自動車の所有権を取得したことを証明する遺産分割協議書や遺言書が必要になります。

所有者が亡くなっている車を売る場合には、言うまでもなくその所有者の印鑑証明書は取れませんから、所有者が死亡した車の所有権を取得した相続人の印鑑証明書を代わりに提出します。

所有者が死亡した自動車を売る手続きは結構複雑ですから、手続きに自信のない方は専門家に依頼した方が良いでしょう。

旧住所での印鑑証明書には効力無し

自動車を売る場合には売主の印鑑証明書を提出する必要があります。

この印鑑証明書は発行から3か月以内のものが必要になるので、仮に3か月以上前に引っ越しをしていた場合に、引っ越し前の住所地で交付を受けた印鑑証明書を陸運局に提出すると、たとえその印鑑証明書の住所が車検証上の住所と一致する場合でも名義変更申請は却下されます。

市区町村をまたいで引っ越しをした場合には、旧住所の市区町村役場に転出届を提出するとその市区町村でなされている印鑑登録は廃止されます。

このため、引っ越しをされた方はそのままでは印鑑登録証明書を受けることができなくなります。

したがって、このケースでは引っ越し先の市区町村で新しく印鑑登録の手続きを行う必要があります。

軽自動車の名義変更に印鑑登録証明書は不要

軽自動車の名義変更手続きを行う場合には印鑑登録証明書の提出は不要です。

軽自動車の名義変更手続きを行う際に必要となる書類は以下のとおりです。

軽自動車は普通車と比較して評価額が少額になることが多いのでその名義変更手続きもより簡単なものになっています。

  • 自動車車検証
  • 自動車車検証記入申請書
  • 軽自動車税・自動車税取得申告書
  • 住民票抄本
  • 認印

軽自動車の名義変更手続きに印鑑証明書が不要だということは、軽自動車の名義変更の手続きは認印で出来るということを意味します。

なお、旧車の登録場所と新車の登録場所が管轄違いとなる場合には、ナンバープレートを二枚取り外して返納した上で新しいナンバーを二枚購入する必要があります。

実印を紛失した場合には再登録が必要

普通自動車を売る場合には必ず実印と印鑑登録証が必要になります。

実印がないと買取店では車を買ってくれませんから車を売る場合には実印を必ず用意する必要があります。

実印は非常に大切なものなので厳重に保管している方が多いと思われますが、まれに紛失してしまうケースもあります。

その際には一度印鑑の廃止手続きを行った後、別の印鑑を用意してその印鑑を実印として登録する手続きが必要です。

実印の登録手続きは住所地を管轄する市区町村地役場の窓口で行うことができます。

実印として登録可能な印鑑に特に制限はなく、シャチハタ以外の普通の印鑑であればほぼ間違いなく登録できます。

印鑑登録を行っていない方が車(普通車)を売る場合にも、必ず実印が必要になるので同じように印鑑登録の手続きが必要になります。

車の買い替えの場合には印鑑証明書は2枚必要

一方的に車を売る場合には印鑑証明書は1枚用意するだけで済むのですが、車を売ると同時に別の車を新しく購入する場合には、他人名義の自動車を自分名義に変更する変更の際にも印鑑証明書が必要になるのでもう1枚の印鑑証明書が必要になります。

ちなみに、軽自動車を買い替える場合には印鑑証明書は不要ですので、車の買い替えに印鑑証明書が必要になるのは普通車の買い替えの時のみです。

ディーラーに下取りに出す場合には、車の買い手と売り手が同じ会社なのでその会社に2枚の印鑑証明書を提出します。

一方、買取りの場合には車の買い手と売り手が別会社になることが多いので、用意した2枚の印鑑証明書のうち1枚は買取店の出して、もう1枚は新しい自動車の販売会社の方に提出します。

印鑑登録証明書が必要になる書面

書類と印鑑
車を売る際に、実印を押印する必要がある書面には、譲渡証明書と委任状の2つの書面があります。

譲渡証明書は、車を買い取った買取店が運輸支局で車の名義変更手続きを行う際に、運輸支局に提出する書面です。

一方、委任状は、ユーザーが買取店に対して、名義変更の手続きを委任しますという意思を表示した書面となります。

本来であれば、車の名義変更手続きは、変更手続きによって車の名義人でなくなる者(ユーザー)と、名義変更手続きによって新たに車の名義人となる者(買取店)の双方が運輸支局の窓口に出向いて行うことになっています。

しかし、実務上は、ユーザーが名義変更手続きのために運輸支局に出向くことはなく、ユーザーが実印を押印した委任状を買取店に手渡し、その委任状を買取店が持参して、名義変更の手続きを行うケースが大半です。

譲渡証明書も委任状もユーザーの実印を押印することが義務付けられていますが、実印を押印するということは印鑑登録証明書の用意が必要だということを意味しますので、これらの書面は、印鑑登録証明書が必要な書面であると言えます。

譲渡証明書や委任状は買取店が用意するので心配ない

車の買取に際して譲渡証明書や委任状が必要だからといって、ユーザーが自分でそれらの書面を用意する必要はありません。

車を売る際には、買取店がそれらの書面を用意してきますから、ユーザーは、買取店が用意してきた書面に、住所や氏名などを記入し、実印を押印し、印鑑登録証明書を手渡すだけで構いません。

印鑑登録証明書の交付

印鑑登録証明書は、住所地の市区町村役場で印鑑登録を行わないと取得できません。

車を売る時までに印鑑登録を行っている場合には、運転免許証などの身分証明書を持参して、住所地の市区町村役場の窓口で申し込めば、印鑑登録証明書の交付を受けることができます。

一方、車を売る時点でまだ印鑑登録を行っていない場合には、売買契約を締結するまでに、実印となる印鑑を定めて、市区町村役場で印鑑登録を行う必要があります。

登録印(実印)については、ゴム印等の変形しやすい印鑑や、極端に小さいまたは極端に大きいなどの規格外の印鑑などを除いて、たいていの印鑑は登録を受けることができます。

印鑑登録証明書の有効期限

車の模型とカレンダー
車の名義変更手続きのために運輸支局に提出する印鑑登録証明書は発行後3か月以内のものに限られます。

車を売る前から保有していた印鑑登録証明書がある場合には、発行後3か月以内であれば、それを買取店に提出することも可能です。

買取店によっては、発行後3か月以内の印鑑登録証明書でも、1週間や2週間以内に3か月の期限が来るような古い印鑑登録証明書である場合には、その受取を拒否して、新しい印鑑登録証明書を取ってくださいといってくることがあります。

印鑑登録証明書が2枚必要になる場合について

買取店が買取自動車を廃車にする場合には、未経過分の自動車税があれば、ユーザーが、その還付金を受けることができます。

ただし、買取金額にこの未経過自動車税の還付金額が含まれている場合には、この還付金を受け取る権利は、ユーザーではなく買取店にあります。

この場合には、還付委任状を作成し、ユーザーに代わって買取店が未経過自動車税の還付金を受け取ることになります。

この還付委任状には、ユーザーが実印を押印し、その印鑑登録証明書を添える必要があります。

廃車になる車を売る場合で、買取店が未経過分の自動車税の還付金を受け取ることになっている場合には、譲渡契約書や委任状のための印鑑登録証明書の他に、還付委任状のための印鑑登録証明書も必要になるため、車を売る手続きのために印鑑登録証明書が2通必要になります。