車を売ると自動車リサイクル料金は戻ってくるのか?
平成17年1月に施行された自動車リサイクル法によって、自動車ユーザーに自動車のリサイクル費用の負担が義務付けられ、また、自動車の取引は、車両本体とリサイクル券をセットで行うことが必要になりました。
では、この自動車リサイクルの仕組みは一体どのようになっているのでしょうか?
自動車リサイクルとは
自動車リサイクルとは、自動車メーカーや輸出業者にシュレッダーダスト、エアバック類、フロン類の引取り・リサイクルを義務付け、その処理費用を自動車ユーザーに負担させる仕組みのことを言います。
この制度(自動車リサイクル法)は、車の廃車時に出る鉄くずや希少金属の再利用を促進することや、オゾンの流出を防止して環境保護を図ることなどを目的として、平成17年1月に創設されました。
自動車リサイクル料金とは
新車購入時に、新車販売店は、リサイクル料金を、資金管理法人(自動車リサイクル促進センター)に支払います。
すると、資金管理法人から、リサイクル券が新車販売店に交付されます。
ユーザーは新車販売店から自動車を購入しますが、その際、その購入代金には、車両本体価格の他、リサイクル券の価格も含まれていることになります。
そして、新車には、リサイクル券が付属していることになります。
新車を購入したユーザーが、その車を中古車として販売する場合には、車両本体のほか、リサイクル券も含めて販売します。
そのため、査定額には、リサイクル券の金額も含まれます。
最後のユーザーが車を廃車にするとき、リサイクル券を自動車解体業者に渡します。
解体業者では、車を解体した後、リサイクル券を資金管理法人に送付します。
リサイクル券の送付を受けた資金管理法人は、リサイクル券を換金して、解体業者に支払います。
自動車リサイクル料金の相場
自動車リサイクル料金は自動車リサイクル券の価格ということになりますが、その相場は、1台につき6,000円から18,000円程度です。
リサイクル料金(リサイクル券の価格)は自動車メーカーや車種などによって異なるので、自分の車に付属しているリサイクル券の価格がどのくらいかということを確認したい場合には、ユーザーの方がご自身で調べる必要があります。
公益財団法人自動車リサイクル促進センターのホームページでは、各メーカー・各車種ごとに、リサイクル券の価格を公開していますから、これを活用すると便利です。
リサイクル料金の戻りについて
リサイクル料金は、新車登録時に、新車販売店が資金管理法人に支払います。
そして、新車販売業者は、その預かり証であるリサイクル券を受け取ります。
リサイクル券は、自動車ユーザーが変わる度に、ユーザー間を転々とし、廃車時に解体業者に引き渡され、最終的には、自動車を解体した解体業者が、リサイクル券と引き換えに資金管理団体からリサイクル料金を受け取ります。
リサイクル券は、車両と共にユーザー間で売買されるため、車を購入する際には、車両本体とリサイクル券を同時に購入し、車を売却する際には、車両本体とリサイクル券を同時に売っていることになります。
本来であれば、車を査定に出す場合には、査定価格の中に、リサイクル券の金額が含まれていなければなりません。
そして、車を売る時に、売買代金をリサイクル券の価格分も含めて設定し、車両と一緒にリサイクル券も販売し、リサイクル料金を回収することをリサイクル料金の戻りといいます。
なお、廃車として引き渡す場合には、最終の自動車ユーザーがリサイクル料金を負担することになるので、このリサイクル料金の戻りはありません。
リサイクル券の価格が売買価格に含まれているかチェックが必要
車を売る方は、売買代金にリサイクル券の価格を含めて、リサイクル料金を回収する権利があるので、買取店が作成した売買契約書の契約額にリサイクル料金が含まれているかどうかを確認する必要があります。
買取店の中には、車を廃車ではなく再販売する目的で買い取っても、リサイクル券分の価格を売買価格に上乗せしないところもあるので、そのような場合には、リサイクル券の価格分をきちんと計上するように催促します。