事故車の買取りで査定額はどのくらい下がるか?
事故車の買取価格は、査定対象車が事故車でないとした場合の査定価格から、事故車(修復歴車)であることの評価減を減じた価格となります。
では、事故車の場合、それによる評価減はどれくらいの金額になるのでしょうか?
目次
修復歴車と修理した車の違いについて
事故車は修復歴車と修理した車の2種類に分けることができます。
修復歴車とは、日本自動車査定協会等が定める基準(以下査定基準といいます。
)により、自動車の9つの主要部分を修理または交換を行った事故車のことを言います。
一方、修理した車とは、事故車ではあるが、査定基準に定める9つの主要部分に対する修理または交換を行わなかった事故車のことを言います。
たとえば、事故によりバンパーやフェンダーを取り換えたとか、ドア部分のヘコミを板金で直したような場合には、修理した車には該当しても、修復歴車には該当しません。
下の画像の程度の傷ならば修理しても修復歴車に該当しないでしょう。
査定の際に大幅な評価減が行かれるのは修復歴車に該当する場合です。
過去に事故を起こしたことがある自動車でも、修復歴車に該当しない場合には、外観上に傷が残るような場合には、査定上の評価減があるかもしれませんが、そうでない場合には、修理したことは査定に影響を与えません。
自動車に修復歴があると必ず発見される
査定の際、査定士は、査定基準で定められる9つの主要箇所に、修理や交換の跡がないかどうかを必ず確認します。
修理跡が発見されると、修復歴車扱いとなり、査定上でマイナス評価を行います。
ただし、査定の際に、査定士が主要部分の修復歴を見逃す場合があります。
しかし、自動車の点検記録簿には、主要部分に修復歴があるとその記載がなされますので、修復歴は必ず査定者に発見されます。
よって、査定を依頼した自動車に修復歴がある場合には、隠さずに申告する方がベターです。
修復歴による評価減のおおよその相場
修復歴車の評価減についてですが、それは、修理の状態やその部位の損傷具合によって異なります。
たとえば、修復歴はあるが、丁寧に修理されているとの評価を得た場合には、修復歴による評価減は小さくなります。
なお、一般的には、修復歴があると、通常の評価額の20%~30%程度の評価減があると言われています。
事故車の評価は、事故車が事故車でないとした場合の査定評価額から、修復歴車であることを考慮した評価減を行い、最終的な査定額が決まります。
よって、事故車でないとした場合の評価額が一定額以上になる場合には、事故車であってもある程度の金額での評価額が与えられます。
買取り査定には、買取業者の販売力も影響を与える
事故車の買取査定額の算定においては、修復歴による評価減の他にも重要な要素があります。
それは、買取業者の販売力です。
たとえば、ある中古自動車買取業者は、世界100か国以上に中古車の販売ルートをもっています。
このような業者の場合、たいていの中古車については事故車であっても、それなりの価格で海外で売りさばくことができます。
こういった買取業者が、修復歴車が敬遠される国内市場にしか販売ルートを持たない買取業者より高い査定額を提示できることは明白です。
修復歴があっても性能上問題無い自動車であれば、修復歴をほとんど気にしない発展途上国等の海外の一部の国であれば、修復歴車でも高値で販売できます。
日本の場合は、性能が劣らなくても修復歴があると値段が極端に落ちますから、そういった海外の国に販売ルート持つ買取業者の修復歴車の買取価格が高くなるのは当然です。
同様に、中古部品の販売に強い買取業者、自動車を解体した後に出る金属や樹脂を加工して素材として流通させる技術を持った買取業者の場合も、修復歴をあまり気にせずに買取りを行ってくれるので、こういった業者側の事情も、買取り査定に影響を与えます。
事故車の査定で気を付けること
なお、事故車を修理して販売することは、リスクを伴うことも気を付けなくてはなりません。
たとえば、事故車を修理して買取依頼を行った結果、0円査定となったとします。
この場合、修理をしなくても0円査定となるわけですから、修理費用をまるまる損することになります。
一般的にも、修理して売却した場合には、修理費以上の評価の上昇は期待できないと考えられています。
たとえば、評価額が0円の事故車に30万円をかけて修理を行っても、修理した事故車の評価額が30万円以上となることはまずありません。
評価額が10万円になるとすると、この修復歴車のユーザーは20万円の損をします。
事故車を修理して乗り続けるというのであれば、修理することも有意義です。
しかし、事故車を売却するつもりであれば、修理をせずに現状のままで売却するのが鉄則です。
修理してから売却すると必ず損をします。
なお、事故車のままでもパーツや素材の販売に強い買取業者に依頼すれば良い値段で買い取ってもらえます。